不登校の4つの時期
不登校の状態は一律ではなく、時期によって子どもの様子は変わります。ある時期はつらさが強く、ある時期は少し落ち着いて見えることもあります。こうした変化を知ることは、身近な大人が子どもと向き合う上で、大切な視点の一つとなります。
ここでは、時期ごとに見られやすい子どもの様子と、身近な大人が関わる際のヒントを4つの時期に分けてご紹介します。この流れはどの年代にも見られますが、特に小学生・中学生のお子さんに多い経過をもとにしています。なお、子どもの状態は行きつ戻りつすることも多く、必ずしも順番どおりに進むわけではありません。今のお子さんの様子に合わせて、参考にしていただければと思います。
第1期 つらさが強く表に出る時期
≪子どもの様子≫
- 「学校に行きたくない」と口にしたり、遅刻や欠席が次第に増えてくる
- 布団から出られない、学校に行く準備にとても時間がかかる
- 朝になると、腹痛や頭痛、だるさなどの身体症状が出ることがある
- イライラしやすくなったり、涙が出やすくなったりする
- 笑顔や口数が減り、元気がないように見える
≪対応≫
- 体の不調がないか確認する
⇒しんどさが健康面に関係していないか、必要に応じて医療機関で確認します。
- 子どもの話を聞く時間をつくる
⇒無理に登校を促すよりも、子どもが感じていることや考えていることをゆっくり聞きます。
- 気持ちを否定せず受け止める
⇒「そう感じているんだんね」と受け止める姿勢が安心につながります。
焦って叱ったり、責めたりしてしまうこともあるかと思いますが、まずは理解しようとする関わりが大切です。
- 行けない理由を繰り返し問い続けない
⇒何度も理由を聞かれることが負担になることがあります。また、本人にも理由がはっきりしない場合があります。
- 負担を減らす工夫を早めに検討する
⇒学校やスクールカウンセラーと相談し、環境調整(例:保健室利用、席替えなど)を行うことで、
つらさが和らぐことがあります。
第2期 エネルギーが低下している時期
≪子どもの様子≫
- 学校に行かなくなり、家で過ごす時間が増える
- ぼーっとして過ごしたり、何もせず横になっていることが多い
- 生活リズムが乱れやすく、昼夜逆転することがある
- 腹痛や頭痛などの身体症状、不安やイライラなどの気持ちの変化が見られることがある
≪対応≫
- 無理に学校へ行かせようとしない
⇒エネルギーが低下している時期のため、まずは心身を休めることを優先します。
- 今できていることを続ける
⇒例えば朝8時に起きられているなら、その習慣を崩さず続けます。できていることを保つことは、回復を助けることにつながります。
- 生活リズムを大きく崩さないよう支える
⇒睡眠や食事などの基本的な生活リズムは、心身の回復を支える土台になります。
乱れが大きい場合は、医療機関などに相談するのも一つの方法です。
- 受容的な関わりを意識する
⇒気になる言動があっても頭ごなしに否定せず、まずは子どもの気持ちや様子を受け止める関わりを大切にします。
強い言葉や不安定な様子の背景に、しんどさが隠れていることもあります。
- 学校とのつながりを保つ
⇒必要に応じて学校やスクールカウンセラーに相談し、今後の対応や工夫を整理します。![]()
保護者自身も一人で抱え込まず、話せる場を持てると安心です。
第3期 回復に向かいながら揺れる時期
≪子どもの様子≫
- 身体症状や感情の不安定さは少しずつ落ち着いてくる
- 表情が和らぎ、会話が増える
- 好きなことや興味のあることは楽しめるようになる
- 外の世界に関心が向くようになる
- 回復の兆しが見えても不安や怖さはまだ残っており、行動には波がある
≪対応≫
- 子どものペースを見守る
⇒元気そうに見えても、疲れや不安はまだ残っていることがあります。
何かを急がせるのではなく、子どもの気持ちや状態に合わせて支えることが大切です。
- 好きなことに取り組む時間を尊重する
⇒好きなことに取り組めるのは回復のサインです。回復の力になる時間として大切に見守ります。
- 揺り戻しがある前提で関わる
⇒前向きな発言の後に「やっぱり無理」と戻ることは自然な回復過程です。この揺れに焦らず付き合うことが大切です。
- 学習や活動は焦らずに
⇒好きなことは楽しめるようになっても、勉強や新しいことへの意欲はまだ回復の途中です。無理に促すのではなく、意欲が育つのを見守りながら支えます。
- 学校とのつながりを保つ
⇒再登校や別の進路を考える場合でも、学校との連絡や情報のやり取りは続けましょう。![]()
学校は支援の窓口であり、社会との接点の一つでもあります。
第4期 社会参加に向けて動き出す時期
≪子どもの様子≫
- 生活リズムが整い、大きな崩れは見られなくなる
- 外出や友人との交流が見られるようになる
- 不安や怖さはまだ残るが、行動の揺れは以前より少なくなる
- 社会参加や学習への関心が少しずつ出てくることがある
- 子どもによっては、自分の力をうまく調節できず、頑張りすぎてしまったり、不安の強さから一歩を踏み出せなかったりすることもある
≪対応≫
- できたことや頑張りを言葉にして伝える
⇒少しずつ自信がつき、次の一歩を踏み出せるきっかけになります。
- 活動や挑戦を後押しする
⇒頑張りすぎているときは一呼吸置かせ、慎重で一歩を踏み出せないときは背中をそっと押してあげられると良いでしょう。
- 方向性をすり合わせる
⇒社会参加や進路を考え始めると、本人の状態や希望と、保護者の思いがすれ違うこともあります。こうした場面で方向性に迷うのは珍しいことではありません。大切なのは、互いの考えを伝え合いながら納得できる形を一緒に見つけていくことです。家族だけで方向性を決めるのが難しい時は、スクールカウンセラーなど第三者に相談するのも一つの方法です。
- 学びや居場所について学校と相談する
⇒復帰とは必ずしも元の学校に戻ることだけではありません。適応指導教室やフリースクールなど、さまざまな学びや居場所があり、通学やオンラインなど、参加の形も工夫できます。学校と情報を共有しながら、子どもの希望や家庭の状況も踏まえて、無理のない形で整えていきます。
- 保護者自身も無理をしない
⇒子どものサポートや学校との連携など、この時期は保護者が頑張りすぎてしまうことがあります。
できる範囲で取り組めば大丈夫。保護者自身も疲れすぎないことを大切にしてください。
不登校への関りは、すぐに結果が出るものではなく、時間をかけて進んでいくことも多いものです。焦らず、その子らしく生きていく力を育てていくことを大切にしていきましょう。歩み方は一人ひとり違いますが、その子なりの道は少しずつ見えていきます。